このテキストをご覧になる方は、チーズに何かしらの想いを抱いていらっしゃるかと思います。
チーズが好きで好きでたまらない、という方。ワインとチーズがあれば何もいらない、という方。 ピザやグラタンなど、チーズを使った料理が大好き、という方。クリームチーズやチーズケーキな ど、チーズといえばデザート、という方。カマンベールは皮の部分がたまらない、という方。ブルーチーズやウォッシュチーズなど、臭いがきつくて刺激的なチーズにやみつき、という方。チーズと言えば、スーパーやコンビニに並んでいるプロセスチーズしか知らない、という方。
どれもチーズのあるべき姿のひとつです。
チーズはいろいろな意味で「最高」な食べものです。 例えば、チーズは5千年以上前から食べられてきた世界最古の加工食品です。その歴史は人類初期の古代文明までさかのぼることができます。
また、チーズの種類は数百とも数千とも言われています。多くの異なる製法があり、また同じ製法でも原材料や風土によって微妙に違った味わいになります。作る人の創意工夫によって無限のバリエーションが生まれ、まさにチーズ製造者の数だけチーズの種類があると言っても過言ではありません。
さらに、チーズは最も栄養価の高い食べもののひとつでもあります。チーズの原料となるミルクは、哺乳動物が生まれて最初の大切な時期で口にするものだけに、カルシウム、タンパク質、ビタミンA・Bなど、人間のからだの形成に必要な栄養素をほどよく含んでいます。
そして何よりも、チーズはとても美味しいということ。もちろんそのまま食べても美味しいのですが、チーズは料理の食材にもなりますし、調味料にもなればデザートにもなる、お酒のおつまみにも様々な組み合わせが楽しめる、最も幅広い形で味わえる食べものでもあります。中には「チーズは苦手」という方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな方でも種類が豊富で幅広い嗜好性を持つチーズなら、必ず美味しく食べられて満足できる料理法や銘柄が見つかります。
そしてそのチーズの深くて魅力的な知識を身につけ、自分が楽しむだけでなく、周りの人にもチーズの素晴らしさを伝える事ができる、それがチーズソムリエです。
このテキストにはチーズソムリエとして身につけるべきチーズのとっておきの秘密がたくさん詰まっています。
「チーズはどうやって作られるのか？」「チーズはどう誕生し、発展してきたのか？」「チーズの種類はどんなものがあるのか？」さらにはチーズの選び方、美味しい食べ方、レシピ、もてなし方、世界のチーズ事情・・・等々。
そんな知れば知るほど奥深く、そして美味しくなるチーズの世界を、どうか楽しみながら学んでいただければ幸いです。