「チーズの無いデザートは片目の美女である」という名言を残したのはブリア・サヴァランですが、これにはチーズがメインの食材としてあまり評価されていなかったというヨーロッパ中世の貴族社会の背景がありました。現在ではチーズは立派な食卓の主役に躍り出ましたが、やはりスウィーツとしての地位は尚も健在です。
【古代アテネ風チーズケーキ】
チーズケーキは古代ギリシャから作られてきた伝統のスウィーツです。ニューヨーク風やノルマンディー風など様々な作り方がありますが、ここでは古代アテネで作られていたものに近いレシピをご紹介いたします。
■材料
- 卵 4個(卵白と卵黄に分けておく)
- 蜂蜜(または砂糖) 1/2カップ
- レモン 1個
- 小麦粉 1/2カップ
- カッテージチーズ 450g
- ヨーグルト 1カップ
- 砕いたラスク粉 1カップ
- 砕いたクルミやアーモンド 1/4カップ
- バター 大さじ2
■レシピ
- レモン汁を搾る。皮は別にとっておく。
- 大きなボウルに卵白を入れ、固まるまで強くかき回す。途中で塩をひとつまみ入れる。
- 卵黄、蜂蜜、レモン汁、レモンの皮、小麦粉、カッテージチーズをミキサーにかける。
- 卵白にバターを入れ、ヘラで混ぜ合わせる。
- 3と4とヨーグルトを合わせ、混ぜ合わせる。
- 別の容器にラスク粉とクルミ、アーモンドを混ぜ合わせる。
- ケーキの型の底に油を塗り、6を敷き詰める。
- 7の上に5を入れ、170度に温めたオーブンで45分焼く。
- 焼き上がったら6時間冷まし、型からお皿に移して出来上がり。
【カマンベール・オ・カルヴァドス(Le Camembert au Calvados)】
フランスのブローニュのチーズ店が考案した、カマンベールをまるごとカルヴァドスに漬けてしまう、チーズが本体のある意味チーズケーキです。
商品として市販されているものはチーズ製造の段階でミルクにカルヴァドスを混ぜて熟成させていますので、ここでご紹介する自家製のものとはちょっと異なります。カルヴァドスの芳香さとカマンベールのミルキーな味わいが絶妙な逸品です。
他のチーズやアルコール類との組み合わせでバリエーションが可能です。パン粉にナッツを砕いたものを混ぜたり、いろいろお試しください。
■材料
- パン
- カルヴァドス
- カマンベール(熟成しすぎていないもの。生地がやわらかすぎるものは冷蔵庫で冷やしておく)
- ドライアップル(お好みで)
- クルミ
■レシピ
- パンをオーブンでカリカリに焼き、砕いて粉にしておく。
- ボウルにカルヴァドスをそそぎ、ドライアップルを入れておく。
- カマンベールの白カビの表皮部分をきれいにとりのぞく。
- 2のドライアップルを別の容器に移し、カルヴァドスに3のカマンベールの全体を浸す。
- 1の上に4のカマンベールを乗せ、全体にしっかりとパン粉をくっつける。
- 5をお皿の上に乗せ、中央に砕いたクルミとドライアップルを乗せ、出来上がり。