チーズの魅力は数えきれないほどありますが、その種類の多さも魅力の1つです。
様々あるチーズは主にその製法の系統によっていくつかのカテゴリに分類されます。 分類方法は国によって異なりますが、日本では一般的にフランスの基準を用いることが多いようです。 フランスでの分類法は大まかに言うと「生地(pâte)」と「外皮(croûte)」の違いによって分けられますが、いくつか例外もあります。
それでは分類法の概念を、その例外も含めてしっかり学んでいきましょう。
生地(pâte)による分類
「生地」はやわらかい「ソフト系(pâte molle)」と硬く圧搾された「ハード系(pâte pressée)」の2通りのタイプがあります。
ソフト系はホエイをカードの重みで自然に排出させることにより、水分が多めのやわらかい生地にします。ハード系はホエイをしっかり排出させ、型入れした後、重しをのせて圧搾し、硬い生地にします。
さらにハード系は型に詰める前に加熱しないもの(non cuite)と加熱するもの(cuite)の2 通りに分かれます。前者を日本ではセミハードチーズ(半硬質チーズ)、後者をハードチーズ(硬質チーズ)と呼んでいます。カードは加熱することにより収縮するので、加熱したもののほうがよりホエイが排出され、水分の少ない硬い生地ができあがります。
さらに上記の概念どちらにも属さないものが2通りあり、1つは外皮が無く生地を熟成しないフレッシュ系(pâte fraîche)、もう1つはミルクまたはカードに青カビを投入する青カビ系(pâte persillée)です。この2つはどちらかというと生地はソフトですが、製造工程が異なるので上記の概念からは外れます。
外皮(croûte)による分類
外皮はリンド(rind)とも呼ばれ、自然にできるもの(croûte naturelle)と人為的に作るものがあります。人為的に作るものでは、白カビの胞子を噴霧して作る白カビ系(croûte fleurie)と塩水や酒類で洗って作るウォッシュ系(croûte lavée)の2通りがあります。
外皮はチーズの生地を保護し、熟成を助ける働きがあります。ゴーダチーズやエダムチーズのようにワックスで覆うものもありますが、生地を保護し、熟成を促すという点は同じでもリンドの一種とはみなされません。
最後に生地や外皮どちらのどの分類にも属さない、山羊のミルクを素材で使用したシェーブル系(chèvre)というのがあります。
以上、文章で読むとややこしく分かりにくいですね。まとめると以下のようになります。
それでは次からこの8つのカテゴリをひとつひとつきちんと把握していきましょう。
■Lesson5-1 まとめ■
- チーズには様々な種類があるが、主にその製法の系統によっていくつかのカテゴリに分類される。 日本では一般的にフランスの基準を用いることが多い。
- フランスでの分類法は大きく「生地(pâte)」と「外皮(croûte)」の違いによって分けられるが、いくつか例外もある。
- 「生地(pâte)」による分類には、ホエイをカードの重みで自然に排出させ、水分が多めのやわらかい生地となる「ソフト系(pâte molle)」と、ホエイをしっかり排出、型入れした後、重しをのせて圧搾し、硬い生地にした「ハード系(pâte pressée)」の二通りのタイプがある。
- ハード系はさらに、型に詰める前に加熱しないもの(non cuite)と加熱するもの(cuite)の2 通りに分かれる。加熱したものの法がよりホエイが排出されることで水分の少ない硬い生地となる。
- ソフト系とハード系の概念に属さないものが、外皮が無く生地を熟成しないフレッシュ系(pâte fraîche)と、ミルクまたはカードに青カビを投入する青カビ系(pâte persillée)の2種類である。生地はソフトだが、製造工程が異なるので上記の概念からは外れる。
- 「外皮(croûte)」による分類には、自然にできるもの(croûte naturelle)と人為的に作るものがある。人為的に作るものはさらに、白カビの胞子を噴霧して作る白カビ系(croûte fleurie)と塩水や酒類で洗って作るウォッシュ系(croûte lavée)の2通りがあります。
- 外皮はチーズの生地を保護し、熟成を助ける働きがある。
- ワックスで覆うゴーダチーズやエダムチーズもあるが、生地を保護し、熟成を促すという点は同じでも外皮の一種とはみなされない。
- 生地や外皮どちらのどの分類にも属さない、山羊のミルクを素材で使用したシェーブル系(chèvre)があり、チーズは大きく8つのカテゴリに分類される。