③白カビチーズ Les fromages à pâte molle à croûte fleurie
■定義■
表皮が白カビで包まれ、生地がやわらかいチーズ
■解説■
カマンベールに代表される、北フランスで最も多く生産されているチーズです。
表皮に白カビの胞子を噴霧し、白カビが繁殖しながら生地のタンパク質やアミノ酸を分解していきます。その過程でアンモニアが発生し、生地がアルカリ性に傾いてきたところで、アルカリ性を好むリネンス菌が同時に繁殖をはじめ、さらに芯まで熟成が進み、生地全体をトロリと溶かしていくことで独特の食感が生まれます。
よく熟成された白カビチーズはナイフで切ると生地がゆっくり流れ出てくるほどトロトロですが、人によってはまだ芯がちょっと固いくらいが食べ頃と言う方もいます。
熟成期間は約1~2ヶ月ですので、その間の自分の好みの熟成度合いを見つけるのもこの種のチーズを楽しむポイントと言えるでしょう。 外皮のあたりは軽く鼻に抜けるアンモニア臭がありますが、中身はそれほどでもなく、素材本来のまろやかでクリーミーな味わいがあります。それと同時に、よく熟成された深いコクとうまみにもあふれています。
■このカテゴリに分類される主なチーズ
カマンベール、ブリー・ド・モー、シャウルス、ヌフシャテル、カプリス・デ・デュー、パヴェ・ ダフィノワ、ブリー・ド・ムラン、ブリー・ド・クロミエ
■Lesson5-4 まとめ■
- 白カビチーズとは、表皮が白カビで包まれ、生地がやわらかいチーズを指す。
- カマンベールに代表される白カビチーズは菌のチカラをうまく活用して作られるチーズで、熟成期間は約1~2ヶ月ほどである。熟成度合いが好みによって分かれるため、自分好みの熟成期間を見つけるのも楽しみ方の1つである。
- 白カビチーズの特徴は外皮のあたりは軽く鼻に抜けるアンモニア臭だが、中は素材本来のまろやかでクリーミーな味わいがあり、よく熟成された深いコクとうまみにもあふれている。