⑥シェーブルチーズ Les fromages au lait de chèvre
■定義■
山羊のミルクで作ったチーズ
■解説■
他は全て製法による分類ですが、このカテゴリのみ乳種による分類となります。
シェーブルチーズの中にも「フレッシュ」「ソフト」「白カビ」「青カビ」「ウォッシュ」「セミハード」 6種の製法がありますが、山羊乳で作られたチーズは特徴的な点が多いので、すべてこのカテゴリの扱いになります。また、フランスでは山羊乳を使用したチーズが多いことも、山羊乳によるチーズが独立したカテゴリとして設けられていることの理由となっています。
シェーブルチーズの特徴として、山羊乳はカゼインと脂肪球の質が特殊なのでレンネットがうまく働きません。そこでレンネットは補助のような役割を果たすのみで、乳酸発酵を中心にミルクを固めています。酸凝固では強い組織のカードが形成できないため、シェーブルチーズは比較的小ぶりのサイズが多くなります。
また、山羊乳は独特の酸味と臭みがあるので、それらの癖を押えるために表皮に木炭粉や灰をまぶしてカビの繁殖を促しているものが多くあります。
山羊の泌乳期間は春先から秋にかけてですので、昔は春から秋にかけてしか食べられませんでした。現在は冷凍保存ができるので年中食べられますが、やはり旬に食べるシェーブルチーズは格別です。
■このカテゴリに分類される主なチーズ■
ヴァランセ、セル=シュル=シェル、サント=モール・ド・トゥーレーヌ、シャビシュー・デュ・ポワトゥー、クロタン・ド・シャヴィニョル、シュヴロタン(セミハード)、ランゴ、プーリニ=サン=ピエール、ピコドン、バノン、パヴェ・オ・エルブ
■Lesson5-7 まとめ■
- シェーブルチーズとは山羊のミルクで作ったチーズを指す。
- チーズのカテゴリは製法による分類だが、山羊乳で作られたチーズは特徴的な点が多いためシェーブルチーズのみ乳種による分類となり、シェーブルチーズの中に「フレッシュ」「ソフト」「白カビ」「青カビ」「ウォッシュ」「セミハード」 6種の製法がある。
- 山羊乳はカゼインと脂肪球の質が特殊でレンネットがうまく働かないため、乳酸発酵を中心にミルクを固める製法となる。酸凝固では強い組織のカードが形成できないため、シェーブルチ-ズは比較的小ぶりのサイズが多い。また、山羊乳独特の酸味と臭みを抑えるため表皮に木炭粉や灰をまぶしてカビの繁殖を促しているものが多い。
- 山羊の泌乳期間の春先から秋にかけてつくられた旬のシェーブルチーズは格別である。