Lesson5-8 セミハードチーズ

⑦セミハードチーズ(非加熱圧搾) Les fromages à pâte pressée non cuite

ラクレット(Raclette)/Miriam Doerr Martin Frommherz/Shutterstock.com

ラクレット(Raclette)/Miriam Doerr Martin Frommherz/Shutterstock.com

スイスの代表的なセミハードチーズ、ラクレット。アルプスの少女ハイジに出てくるチーズはこれ だという噂も。

■定義■

加熱せずに生地を圧搾したチーズ

■解説■

日本では「セミハードチーズ」と言われていますが、フランス語は「非加熱の圧搾された生地のチーズ」という意味です。このセミハードチーズとハードチーズを合わせて「ハード系」の チーズというひとくくりになります。

「ソフト系」との違いはカードを型に詰めて重しをのせて圧搾する点です。 セミハードチーズは製造工程でカードを加熱してホエイを排出させない点がハードチーズと異なり、そのせいでハードチーズより少し水分が多めに残り、日本名の通り「やや硬い」生地になります。水分含有率はだいたい43%~53%です。 ただ長期熟成させているうちにハードチーズ並みに硬くなる場合もありますが、あくまでも製造工程による分類なのでカテゴリ分けは変わりません。

その味わい、塩加減や硬さ、黄色からオレンジ色がかった生地など、日本人が「チーズ」と聞いてイメージするタイプに一番近いものがこのカテゴリです。実際にゴーダチーズやチェダーチーズ など、プロセスチーズの原料になるのもこのカテゴリが多いのですが、プロセスチーズとはやはり味わいの深さという点で格段に優れた美味しさがあります。

■このカテゴリに分類される主なチーズ■

ゴーダ、チェダー、ミモレット、ラクレット、カンタル、ルブロション(ウォッシュ)、トム・ド・ サヴォワ、エダム、オッソー=イラティ・ブルビ・ピレネー、アベイ・ド・ベロック、サン=ネクテー ル、フォンティーナ、ブラ・テーネロ、ケソ・マンチェゴ、サレール

■Lesson5-8 まとめ■

  • セミハードチーズとは加熱せずに生地を圧搾したチーズを指す。
  • フランス語では「非加熱の圧搾された生地のチーズ」を指し、カードを加熱してホエイを排出させるハードチーズと区別されている。ハードチーズより少し水分が多めに残り、水分含有率はだいたい43%~53%となる。
  • セミハードチーズとハードチーズをまとめて「ハード系」いうが、「ソフト系」との違いはカードを型に詰めて重しをのせて圧搾する点である。
  • セミハードチーズは日本人が「チーズ」と聞いてイメージするタイプに一番近いカテゴリとなり、ゴーダチーズやチェダーチーズなどプロセスチーズの原料となるチーズもこのカテゴリに分類される。