ゴルゴンゾーラ Gorgonzola
- 分類:青カビチーズ
- 産地:ロンバルディア州、 ピエモンテ州(イタリア)
- 乳種:牛乳
- 熟成期間:2~3ヶ月
- 形状:円筒型
- 直径:30cm
- 高さ:20cm
- 重さ:12kg
- 脂肪:48%
- 美味しい季節:冬(11月~2月)
■解説■
「ブルーチーズと言えば?」と聞かれたら、一番多く返ってくる答えが「ゴルゴンゾーラ」ではないでしょうか。いろいろ食べてみた上で一番人気なのかどうかは別問題ですが、まず最もポピュラー に知られている青カビ系のチーズと言ってよいでしょう。
ゴルゴンゾーラという名前は、イタリア・ロンバルディア州のゴルゴンゾーラ村からきています。 この村はアルプスに夏のあいだ放牧していた牛が里に帰る途中にあり、11世紀頃、長旅に疲れてこの村で休んでいた牛たちから搾ったミルクでチーズを作ったところ、やわらかくて評判になり、 「ストラッキーノ・ディ・ゴルゴンゾーラ(ゴルゴンゾーラ村で疲労困憊)」と呼ばれたことが起源と言われています。
また別の伝説として、あるチーズ作りの青年が恋人のことで頭がいっぱいになり、ついカードをほったらかしにしてしまったところ、青カビが生えてしまったので、それを別の新しいカードでくるんで誤摩化したら、思いがけず美味しいチーズができたので、その方法を再現するようになったとも伝わっています。
この最初に作った生地に青カビを植え付け、別の新しい生地でくるむ手法を「ドゥエ・パスタ (2つのパスタ)」と言います。「パスタ」というのは日本語ではスパゲティやマカロニの意味ですが、イタリア語では生地全般を指す言葉で、チーズの生地を意味します。
ゴルゴンゾーラには青カビが少なく、味はマイルドな「ドルチェ(甘口)」と、青カビが多く、 塩味が強い「ピカンテ(辛口)」の2種類があります。一般によく食べられているのはドルチェ のほうですが、伝統的な「ドゥエ・パスタ」で作られているのはピカンテのほうです。
好気性菌である青カビの繁殖を促すために生地に無数の穴を空けるのですが、「ドルチェ」はやわらかい生地で作るので穴がふさがりやすく、そのため青カビが少なめに仕上がります。「ピカンテ」は最初に硬めの生地を作って青カビを植え付け、それをやわらかい生地でくるんで穴を空けるので、穴がふさがり難く、青カビがよく繁殖します。
ゴルゴンゾーラの断面を見ると縦に穴をあけた跡が確認できます。
画像は左がピカンテ、右がドルチェです。