コンテ Comté
- 分類:ハードチーズ
- 産地:フランシュ=コンテ地方、 他(フランス)
- 乳種:牛乳(無殺菌乳のみ)
- 熟成期間:4ヶ月以上
- 形状:円盤型
- 直径:60~70cm
- 高さ:約10cm
- 重さ:35~40kg
- 脂肪:45%以上
- 美味しい季節:1年中
■解説■
フランスにおける「山のチーズ」の最高峰であり、フランスで最も愛されているチーズがこのコンテです。フランシュ=コンテ地方のスイスの国境に近いジュラ山脈で、800年以上に渡って変わらぬ製法で作られてきた伝統のあるチーズでもあります。
その生産量は年間5万トンと、A.O.P.に認定されたチーズで最大数を誇ります。サイズも大型で、 一個のコンテを作るのに必要とされるミルクは500リットル。これは30頭の牛1日分の搾乳量にあたり、これだけの規模のチーズを伝統的な製法を守りながら高い品質で大量に製造できるのは、現在の酪農家、フリュイティエール(fruitière)と呼ばれるチーズ工房、そして熟成士(affineur) 三者による連携なくしてはあり得ません。
製造の地域はA.O.P.によりジュラ山脈一帯の数カ所に限定され、そこで1件のフリュイティエールにつき十数件の酪農家がミルクを提供し、作られたカードは熟成士のもとに送られるというサイクルで製造されています。
最低4ヶ月はかかる熟成は、熟成士たちが定期的に塩をすり込んではひっくり返すという作業を行い、完成したコンテは出荷前に熟成士たちによって味、香り、見た目などを厳しくチェックされ、20点満点で採点された結果、12~13点が茶色のラベル、14点以上のものが画像のような緑色のラベルを貼られ、11点以下はコンテを名乗ることもできず、プロセスチーズの原料になってゆきます。
作られる時期や熟成期間によって様々な味わいが楽しめることもコンテのよさのひとつです。 フランスでよく食べられるのは熟成5~6ヶ月の若いもので、ミルクのやさしい香りが残るマイルドな味わい。熟成が進んで10~12ヶ月くらいになると、フルーティーさが増し、ワインによく合う芳醇さが立ちこめてきます。14ヶ月以上になるとそこに濃厚な旨味が積み重なってきます。
時期は牛たちが牧草地を歩き回る、濃くておいしい夏のミルクで作られたものが最も香り高く味が 良いと言われています。