ギリシャのチーズ事情
チーズ大国として忘れてはならないのがギリシャです。チーズの種類も生産量も輸出量もこれまで紹介してきた他国に遠く及びませんが、こと世界で一番チーズを食べている国はどこかと言うと、これがギリシャなのです。
FAOデータによりますと、2011年のギリシャのチーズ消費量が291,376トン。ギリシャの2011年の人口は11,120,000人ですから、計算するとギリシャ人は2011年に一人当たり平均26.2kgのチーズを食べたことになり、これは実に日本の10倍の数字になります。
ギリシャのオリジナルチーズと言えばこのフェタ。紀元前から作られていて、パルメザンと同様、一般名称として世界中で作られるようになりました。しかし1996年にパルメザンに続いてP.D.O.登録されてからは、ギリシャ以外のEU各国では「フェタ」の名称でチーズを製造・販売することができなくなっています。
スイスのチーズ事情
チーズの歴史の古さではスイスも負けていません。ローマの文献には紀元前33年にラエティア(現在のスイス東部・中央部を含む地域)でチーズが作られていたと記録があります。また、中世の複数の文献にスイスのチーズがヨーロッパ全土で売られていたと書かれています。
19世紀に全世界のチーズ作りが大規模な工場生産に移行していくなか、スイスのチーズだけは小規模の農家や工房での製造にとどまり、伝統的な製法のチーズが多く残っています。
アルチザンチーズ from スイス
グリュイエール(Gruyère)
エメンタールと並ぶスイスの代表チーズ。11世紀にグリュイエール村で作られたのが始まりで、現在でも伝統の製法で小規模なチーズ製造者たちが6月から9月のあいだに山小屋で作っています。チーズフォンデュやラクレット、グラタンなどに最適なチーズです。
■Lesson7-8 まとめ■
- ギリシャは世界で一番チーズを食べている国である。FAOデータによるとギリシャ人は2011年に一人当たり平均26.2kgのチーズを食べたことになり、これは実に日本の10倍の数字となる。
- スイスのチーズの歴史は古く、ローマの文献には紀元前33年にラエティア(現在のスイス東部・中央部を含む地域)でチーズが作られていたと記録がある。19世紀の世界規模のチーズ工場生産の中、スイスのチーズだけは小規模の農家や工房での製造にとどまり、伝統的な製法のチーズが多く残っている。