チーズにはひとつひとつに個性があります。
同じ銘柄でも、別の農場のミルクを使用し、複数の製造所で作られている場合があります。例えそれらが同じでも、作られる季節や熟成期間によっても違ったものになります。さらにチーズが輸送され、店頭に並ぶまでの取り扱いによっても変化が生じます。
チーズが作られてお店に運ばれ私達と出逢うまで、チーズはどこかで誰かの手によって生まれ、育ち、時には難を乗り越え、個性のある一個のチーズとしてそこにあるわけです。
そしてチーズを選ぶ私達にも好みや目的があります。硬くて旨味たっぷりのチーズが好きな方もいれば、やわらかくてミルキーなチーズが好きな方もいます。よく熟成された濃厚な味わいが好きな方もいれば、未成熟のフルーティーな味わいを好む方もいます。お酒と一緒に楽しみたいと思っている方もいれば、おやつにチーズを食べたいと思っている人、料理に使う食材としてチーズを探している人もいます。
理想のチーズと出逢うための一番の近道は、お店の人と親しくなって、いろいろと聞いてみたり、アドバイスをもらうことです。しかし常にそれが出来るとは限りませんし、自分の目で見て、あれこれ推測や想像をめぐらし、あくまでも自分の感性でチーズを選ぶのも楽しいものです。
それではこれからお店でズラリと並んだチーズの中から、理想のチーズと出逢えるコツをしっかり学んでいきましょう。