イギリス・ケンブリッジのバイオテクノロジー企業「ライコテック(Lycotec)」の研究チーム、イワン・ペトロフ氏(Ivan Petyaev)とユーリー・バシュマコフ氏(Yuriy Bashmakov)の研究結果が医学誌「Medical Hypotheses」2012年の12月号に掲載されました。
これによると、フランス人に長寿が多いのは、青カビチーズのロックフォールをたくさん食べているからなのではないかとのことなのです。また、青カビチーズはコレステロール値を下げ、心血管疾患や糖尿病の防止になり、腸の健康にも良く、関節炎にも効果があり、おまけにセルライトなどの加齢サインの出現を遅らせてくれるのだそうです。
フレンチ・パラドックスの真実
「フレンチ・パラドックス」という言葉があります。これはフランス人は全体的にタバコを吸う人が多く、脂肪分たっぷりの食事をしているにもかかわらず、心臓病を患う人が少ないという矛盾を表した造語です。例えば世界一の長寿はジャンヌ・カルマンさんというフランス人で、この人も117歳まで喫煙者でした。
このフレンチ・パラドックスを解消する要因として、フランス人はワインをよく飲むからだという説が昔からよく言われていました。しかしワインだけではフランス人の長寿を完全には説明しきれないと言うのです。
そこでケンブリッジの研究チームが注目したのが他ならぬロックフォールでした。研究によると、ロックフォールは熟成することによって複雑な酵素変換が行われ、心血管疾患の予防に役立つ抗炎症物質が形成されるとのこと。そしてこの効果は胃袋のような酸性環境で素晴らしい力を発揮するのだそうです。ロックフォールのような青カビチーズから抽出した物質で心血管疾患予防の医薬品やアンチエイジング美容品などの開発も可能だとペトロフ氏は述べています。
青カビチーズから抽出した若返りの薬が近い将来、開発されるかもしれませんね。