チーズを切る道具を紹介したところで、チーズの切り方に少し触れたいと思います。基本的にご自身で楽しむ分にはお好みの切り方でよいのですが、お客様にふるまうような場合は、チーズの美味しさを均等に味わっていただくために、種類別の切り方を覚えておく必要があります。
ポイントはチーズの「形状」と「熟成」です。
円盤型ソフト系チーズの切り方
円盤型のカマンベールやウォッシュタイプのようなソフト系のチーズは、皮のあたりから中心に向かって熟成が進んでいきます。つまり皮の周辺と中心では熟成の段階が異なるわけです。
これをどのお客様にも均等に同じ味を味わっていただくためには、画像のように放射状に切るのが正しい切り方です。こうすることによって、どのピースにも熟成が進んだ部分と進んでいない部分が均一に配分され、味に偏りがなくなるのです。
また、青カビチーズは逆に中から外側に向かって熟成が進んでいきますが、同様の理屈で円盤型のものは放射状に切ってください。
細長い筒状のチーズの切り方
サント=モール・ド・トゥーレーヌなどのような細長い筒状のチーズは画像のように輪切りに切ります。その際、必ず一番端は残しておき、余ったら切り口に蓋をして保存します。
四角いチーズの切り方
四角いチーズは放射状に切っても、一辺から四角く薄切りにしても構いません。台形のチーズは放射状のほうが切りやすく、熟成度合いも均等になって味に偏りがなくなります。
薄切りにする場合はやはり一番端を残し、余った場合は切り口に蓋をして保存しましょう。
扇状のチーズ片の切り方
ブリーなどのような大きな円盤型のチーズを扇状の切り売りで買った場合は、下図のように切るのがルールです。内側から横に切っていくのはかなり下品な切り方だと見なされる場合がありますので、チーズに一家言ありそうな方のいるパーティーの場などでは注意してください。
ハード系チーズの切り方
ハード系のチーズはどのように切っても味に変わりはありませんので、特に切り方を気にする必要はありません。
■Lesson10-3 まとめ■
- お客様にふるまうような場合は、チーズの美味しさを均等に味えるよう、種類別の切り方を覚えておく必要がありる。
- 切り方のポイントはチーズの「形状」と「熟成」である。どのピースにも熟成が進んだ部分と進んでいない部分が均一に配分され、味に偏りがなくなるように切り分ける。