Lesson12-4 チーズと食べ物との合わせ方

チーズと食べ物との相性にも鉄則はありませんが、いくつか法則のようなものがあります。

ワインと同様、似たものを合わせて調和させるか、逆に異なるものを合わせて美味しさを引き立て合うかが基本になります。考慮に入れる要素としては酸味、塩味、脂肪分、そして食感です。

以下にチーズと合わせる定番の食べ物をピックアップしてみました。こちらも大切なマリアージュの知識ですので、しっかり学んでいきましょう。

パン

パンは最も定番の食べ合わせです。パンの中庸な味わいが、チーズのおいしさを引き立て、塩分の強さなどはやわらげてくれます。だいたいどのチーズにも合うのがバゲットやパン・ド・カンパーニュですので、チーズパーティーなどには必ず常備してください。

レーズン入りのパンは、ウォッシュチーズやシェーブルなど、クセのあるチーズの刺激をやわらげてくれます。

Tatyana Vyc/Shutterstock.com

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蜂蜜

塩味や酸味の強いチーズによく合います。また、脂肪分の高いソフト系のチーズはクリーミーですので、デザート感覚で蜂蜜と絶妙にマッチします。

青カビチーズが苦手な方には蜂蜜をかけて食べると食べやすくなります。

 lidante/Shutterstock.com

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白カビチーズに蜂蜜をかけてクルミとローズマリーをのせる。白カビチーズはクリーミーで蜂蜜とよく合います。クルミがやわらかなチーズにアクセントとなる食感を与えます。

ジャム

蜂蜜と並んでデザートチーズに欠かせないのがジャムです。

モッツァレッラやシェーブルチーズなど、あっさりしていて酸味の感じられるチーズはアップル。パルミジャーノ・レッジャーノやグラン・パダーノのような塩分と旨味の強いハード系のチーズにはアプリコット。青カビチーズのような塩分が強くてクセのあるチーズにはブルーベリー。カマンベールやブリーのような脂肪分の低いソフトチーズにはクランベリー。ゴーダなどのコクのあるハードチーズにはオレンジなど、種類によってバリエーションを使い分けると味に変化が出て楽しめます。

Yulia Davidovich/Shutterstock.com

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カマンベールにベリージャム。脂肪分の高いチーズにベリー系のジャムはぴったりです。

フルーツ

フルーツは口の中をすっきりさせる効果がありますので、チーズの脂肪分を調和させます。さらにチーズに足りないビタミンCと食物繊維を補える点でも欠かせません。

フレッシュチーズやあまり熟成の進んでいないソフト系のチーズ洋梨やリンゴのような甘酸っぱいフルーツを、旨味と塩味がしっかりしたハード系のチーズバナナやメロンなど酸味がなくやわらかいフルーツを合わせます。

酸味が強すぎる柑橘系は味が強いのでチーズにはあまり向きません。

Timolina/Shutterstock.com

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オレンジ、キウイフルーツ、バナナ、ドライフルーツとカッテージチーズの組み合わせ。美味しくて栄養満点、見た目もカラフルで子供のおやつにも最適です。

ドライフルーツ

ドライフルーツはちょっとした箸休めのような役割を果たすので、パーティーなどではパンと同様、必ず常備するとよいです。

脂肪分の高いソフト系のチーズはデザート感覚でドライフルーツとよく合います。また脂っぽさもやわらげてくれます。青カビチーズもドライフルーツの甘さが塩分をやわらげてくれるのでおすすめです。

野菜

フルーツと同様、ビタミンCと食物繊維を補えるのでチーズのお伴に最適です。サラダやチーズフォンデュなど、チーズは野菜と一緒によく食べられます。

イタリアでは食事中にオリーブオイル漬けや塩漬けの野菜がチーズと一緒に食べられています。

MShev/Shutterstock.com

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青カビチーズと林檎とクルミ、ルッコラのサラダ。チーズの塩味を林檎とクルミがマイルドにまとめてくれます。

■Lesson12-4 まとめ■

  • 食べ物との組み合わせもワインと同様、似たものを合わせて調和させるか、逆に異なるものを合わせて美味しさを引き立て合うかが基本となる。考慮に入れる要素としては酸味、塩味、脂肪分、そして食感。
  • バゲットやパン・ド・カンパーニュはだいたいどんなチーズにも合うパンである。
  • ハチミツは塩味や酸味の強いチーズによく合い、また脂肪分の高いソフト系のチーズはデザート感覚で楽しめる。癖の強い青カビチーズにも最適。
  • ジャムはチーズにより使い分けることができる。モッツァレッラやシェーブルチーズなど、あっさりしていて酸味の感じられるチーズはアップル。パルミジャーノ・レッジャーノやグラン・パダーノのような塩分と旨味の強いハード系のチーズにはアプリコット。青カビチーズのような塩分が強くてクセのあるチーズにはブルーベリー。カマンベールやブリーのような脂肪分の低いソフトチーズにはクランベリー。ゴーダなどのコクのあるハードチーズにはオレンジなど、種類によってバリエーションを使い分けると味に変化が出て楽しめる。
  • フルーツはチーズの脂肪分を調和させ、ビタミンCと食物繊維を補える点でも欠かせない存在。フレッシュチーズやあまり熟成の進んでいないソフト系のチーズは洋梨やリンゴのような甘酸っぱいフルーツ、旨味と塩味がしっかりしたハード系のチーズはバナナやメロンなど酸味がなくやわらかいフルーツを合わせるとよい。
  • ドライフルーツは脂肪分の高いソフト系のチーズなどデザート感覚でよく合い、青カビチーズもドライフルーツの甘さが塩分をやわらげてくれるのでおすすめ。
  • 野菜もビタミンCと食物繊維を補えるのでチーズのお伴に最適である。