チーズはそのまま食べても美味しいものですから、ちょっと食材と絡めるだけでも様々な食べ方ができます。ここでは前菜や朝食などに最適な、簡単だけれど知っていると素敵な軽食のレシピを集めてみました。
【セルヴェル・ド・カニュ(La cervelle de canut)】
「セルヴェル・ド・カニュ(la cervelle de canut)」とは「絹職人の脳みそ」という意味。絹織物が盛んだったリヨンの郷土料理で、見た目が脳みそみたいというところからこの名前がつきました。フロマージュ・ブランを使った、美味しくて何にでも使える万能のディップです。
■材料
- フロマージュ・ブラン
- ハーブ(タイムやオレガノ、セルフィーユ等お好みで)
- 香味野菜のみじん切り(エシャロット、チャイブ、パセリ等、お好みで)
- おろしニンニク
- 塩
- ブラックペッパー
- オリーブオイル
■レシピ
- フロマージュ・ブラン、おろしニンニク、オリーブオイル、ハーブ類、香味野菜をよく混ぜ合わせる。
- 味見をしながら塩、ブラックペッパーを少しづつ加えながら味を整えて出来上がり。
■食べ方
- ディップとしてパンや野菜、スナックにつけて食べる
【クロックムッシュ(Croque-Monsieur)】
パリで定番の軽食と言えばクロックムッシュ。1910年頃にパリのオペラ座近くのカフェがはじめたのが最初と言われています。最近では日本のカフェのメニューでもよく見かけますね。
クロックムッシュの「クロック(croque)」は「カリッとかじる」という意味で、ムッシュは「紳士」、つまり「カリッとかじる紳士」というフランスらしいシュールなネーミングです。ちなみにこれに目玉焼きを乗せた「クロックマダム」というのもあります。
使われるチーズはグリュイエールかエメンタールが定番ですが、コンテもよく使われます。
■材料(1人分)
- ハム 1枚
- グリュイエールまたはエメンタール たくさん(他のセミハードチーズでも可)
- 食パン 2枚
- 卵 1個
- バター
- 塩、こしょう
- 牛乳
■レシピ
- ボウルにスライスしたグリュイエールかエメンタールを2つかみ入れ、牛乳を少しかけ、塩こしょうをふっておく。
- 1枚の食パンの片面にバターを塗る
- 1とは別のボウルに卵を割り、牛乳を少し入れてよくかきまぜ、塩こしょうをふる。
- 2の上にスライスしたグリュイエールをまんべんなくたっぷりのせる
- ハムを中央から十字にカットし、4の上をまんべんなく覆うように敷き詰める
- 5の上にスライスしたグリュイエールをまんべんなくたっぷり乗せる
- もう片方の食パンを3の卵と牛乳の混合物に浸してから、6の上にのせる
- 7の上に、1の牛乳に浸したチーズをのせ、塩こしょうをふる
- 170度のオーブンで15〜20分ほど焼き、チーズがふつふつと泡立ち、こんがりと香ばしくなってきたら出来上がり
上記のレシピに目玉焼きを乗せると「クロックマダム」になります。
【アリゴ(Aligot)】
フランス中南部オーブラック地方に古くから伝わる郷土料理です。チーズを使った「のびーる」マッシュポテトといった感じのもので、お肉の付け合わせなどに最適です。もとは中世の時代、僧侶が教会に泊まった巡礼者のために作った料理と言われています。
伝統的なものは「トム・フレーシュ」という、地域の名産チーズ「カンタル」の熟成させる前のフレッシュチーズを使用するのですが、手に入りにくいので、モッツァレッラや、グリュイエールなどのハード系チーズを代用しても構いません。ただしパルミジャーノ・レッジャーノのような超硬質タイプのものは伸びが悪いので避けてください。
■材料(4人分)
- バター 100g
- 大きめのにんにく 2片
- じゃがいも 1kg
- 生クリーム 150ml
- トム・フレーシュ 400g(モッツァレッラやグリュイエールで代用可)
- 塩 適量
■レシピ
- 鍋の底でバターを少し溶かして、潰したにんにくを入れ、しばらくしみ込ませてから、他の容器に移す。
- じゃがいもを皮のまま茹で、水切りして他の容器に移して皮をむき、うちわで冷ます。
- じゃがいもを鍋に戻し、大きなフォークやスプーンなどでペースト状になるまで潰す。
- 3に1のにんにくを混ぜる。
- 4を弱火にかけて生クリームを入れ、木のしゃもじで8の字に混ぜ合わせる。
- じゃがいもと生クリームが均一になってきたら、引き続きかき混ぜながら、みじん切りにしたトム・フレーシュを少しづつ入れてゆく。
- そのままチーズを少しづつ入れながら、しゃもじを持ち上げては伸ばすように練ってゆく。
- チーズをすべて加えたら、塩で味を整えて出来上がり。
■食べ方
- 肉料理の付け合わせに
- 細かく切ったベーコンなどを添えて前菜などに
- シャープでフルボディな赤ワインと一緒に
【インサラータ・カプレーゼ(Insalata Caprese)】
モッツァレッラの産地として有名なカンパニア地方発祥の、切って並べるだけの簡単なサラダです。もちろん使うチーズはモッツァレッラ。ドレッシングはオリーブオイルと塩こしょうだけですが、このシンプルさがモッツァレッラの淡白な味わいを最大限に引き立てるのです。
バジリコの緑、モッツァレッラの白、トマトの赤といった色合いがイタリア国旗を思わせます。現在はカンパニア地方のみながず、イタリア全土で定番のサラダとなっています。
■材料(4〜6人分)
- トマト 3個(完熟のものがおすすめです)
- モッツァレッラ 500g
- バジリコの葉 20〜30枚(オレガノでもよい)
- オリーブオイル 適量
- 塩・こしょう 適量
■レシピ
- トマトとモッツァレッラの水をきって、スライスする。
- 1とバジリコの葉を交互に重ねて並べる。
- オリーブオイルをかける。
- 塩、こしょうをふって出来上がり。