Lesson15-9 チーズ図鑑・イタリア②

カネストラート ・プリエーゼ Canestrato Pugliese

南イタリアを中心に、羊の乳を用いて作られているPDO取得のハードチーズです。
黄金色の外皮は熟成中にオリーブオイルとワインビネガーで磨かれることによって出来上がります。カネストラートとは、カードの水気を取り除くために使用されるアシのかごの名前に由来しています。

テイストの特徴

甘みを感じさせるミルキーな味わいでありながら塩味が強めで、羊のローストをイメージさせるような独特のフレーバーがひろがります。麦わら色の締まった身には小さな目があります。

Let’s eat!

郷土料理に多く用いられ、すりおろしておパスタやアーティチョークに振り掛けたり、子羊の詰め物や子牛のカツレツなどにもすりおろして用いられます。赤やデザートワインが良く合います。

  • イタリア :ブーリア州、コラート
  • 熟成 2~ 12力月
  • 重量と形状 :7kg、円筒形
  • 大きさ :直径25cm、高さ 10cm
  • 乳種:羊
  • タイプ:ハード
  • 生産者:カゼイフィーチョ・プーリエーゼ

 

カサテッラ・トレヴィジャーナ Casatella Travigiana

PDOを取得しているフレッシュチーズです。
名前にイタリア語で家を意味する「Casa」が入っていることからもわかるように、もともと家庭消費用に作られていました。現在ではヴェネト州全域の小規模協同組合が商品として製造しています。

テイストの特徴

口どけの良さが特徴で、バターの風味を感じさせるミルキーな味わいです。 つやつやとしていて柔らかく、クリーミーなチーズです。不揃いな小さな目が空いている場合もあります。

Let’s eat!

ワインを合わせるなら、スパークリングワインのプロセッコ・ミレッシマート・ビゾルなどと相性がよいでしょう。伝統的に、ブレサオラで巻いて食することが多いチーズです。

  • イタリア:ヴェネト州
  • 熟成: 5~ 10日
  • 重量と形状 :400g~2.2kg、車輪形
  •  大きさ: 直径 8~22cm、高さ 4~ 6cm
  • 乳種:牛
  • タイプ:フレッシュ
  • 生産者:複数

 

カショッタ・ドゥルビーノ Casciotta d’Urbino

大変に古い歴史を持つ、PDO認定のセミハードチーズです。
1545年にはウルビーノ公国君主の書簡にその名が記されており、ミケランジェロの好物だったともいわれており、羊と牛の乳をブレンドして作られます。

テイストの特徴

甘みのある香りとテイストは、ほのかな植物の香りを感じさせるのが特徴です。白、またはやや黄色がかった身は弾力のあるテクスチャーをしています。

Let’s eat!

伝統的なテーブルチーズですので、そのまま頂きましょう。ワインを合わせるなら、ヴェルディッキオ ・カステッリ・ディ ・イエジ ・カサル・ ディ・ セッラやデザートワインのマルヴィシア・デル・リパリなどがお勧めです。

  • イタリア: マルケ州、モンテマッジョーレ・アル・メタウ口
  • 熟成: 20~30日
  • 重 量 と 形 状: 800~ 1.2 kg 、 小さい円筒形
  • 大きさ: 直径 12~ 16cm、高さ 5~ 7cm
  • 乳種:羊及び牛
  • タイプ:セミハード
  • 生産者:マルケ州農場協同組合

 

カステルマーニョ Castelmagno

Claudio Baldini/Shutterstock.com

Claudio Baldini/Shutterstock.com

ピエモンテ種の牛の乳から作られる、古くから伝わるPDO認定のハードチーズです。
伝統の製法では、外皮の亀裂から青カビを自然繁殖させていましたが、現在販売されているものは、その多くが青カビが発生する前のものです。

テイストの特徴

若いものは繊細な味で、熟成が進むとうま味が強く非常に強い風味を持つようになります。外皮にはしわがあり、身は黄色かかった白で、中心はとてももろく崩れやすい状態です。

Let’s eat!

バローロと一緒にそのまま食べてもよいですし、フォンデュやクリーミーなチーズソースにも用いることができます。また、蜂蜜をかけて食してもとても美味しく頂けます。

  • イタリア:ピエモンテ州
  • 熟成:2〜6ヶ月
  • 重量と形状:2〜7kg、ドラム形
  • 大きさ:直径15~25cm 高さ12~20cm
  • 乳種:牛
  • タイプ:ハード
  • 生産者:複数

 

フィオーレ・サルド Fiore Sardo

こちらも古い歴史を持つチーズで、一説によるとその歴史は青銅器時代までさかのぼると言われているほどの、PDO取得のハードチーズです。
現在でも一部のチーズは山小屋で羊飼い達によって作られています。下で火を焚きながら天井で熟成させる方法により、燻製したような色合いと風味が加わります。

テイストの特徴

独特のアロマを持つ褐色の外皮は、オリーブオイルを塗りながら熟成させることにより作られいます。内部はハードタイプでもろく、羊乳独特の甘味が感じられます。その余韻は強く長く、スモーキーで塩味のきいたフィニッシュが楽しめます。

Let’s eat!

空豆と一緒に前菜としてよく提供されます。熟成が進んだものはパスタや野菜料理にすりおろしてもとても美味です。

  • イタリア:サルデーニャ州
  • 熟成:3〜6ヶ月
  • 重量と形状:1.5~4kg ドラム形
  • 大きさ:直径15〜25㎝、高さ10~15cm
  • 乳種:羊
  • タイプ:ハード
  • 生産者:複数