Lesson11-5 チーズプラトーを準備する

さあ、必要なものはすべて準備しました。あなたは今日のパーティーに向けて、プレートの上にチーズを並べていきまます。

チーズの並べ方にはいくつかのポイントがありますので、ここではそれらについて知識を深めていきましょう。

 

チーズの並べ方

 ①最初は包装のままで

プレートの上に買ってきたチーズを置いて配置を決める際は、まず包装したままでやります。バランスを考えて何度か動かしたりをくりかえすため、じかに手で触るのはやめましょう。

配置が決まり、包装をとって実際に並べる際は、なるべく包装紙をうまく利用し、チーズにじかに触れないようにしてください。ウォッシュタイプなど表面にぬめりがあるものや、青カビチーズなど水分がにじみ出てきそうなチーズは、包装のまま置いたほうがベターです。

②チーズの高さを考慮に入れる

それぞれのチーズの形、大きさを考えながら、バランスよくチーズを置いていきます。配置で気をつけるのは、ゲストから全てのチーズが見やすいように、背の高いチーズは奥に、低いチーズは前に置きます

③表を上に向けて置く

チーズには必ず表と裏がありますので、ちゃんとすべて表を向けて並べましょう。包装のラベルがあった面がチーズの表です。よくわからない場合はチーズ本体を見て判断しましょう。
切り口があるブロックは断面をゲストが見える方向に向けます

 ④チーズを並べる順番

味がマイルドなものから、濃厚なものへと、順番に並べるのもポイントです。これはマイルドなものから順に食べた方が、すべてのチーズの味を最大限に味わえるからです。

種類別の順番の目安は以下のようになります。

  1. シェーブルチーズ、ソフトチーズ等
  2. 白カビチーズ
  3. ハード系のチーズ
  4. ウォッシュチーズ
  5. スパイスなどで味付けしたチーズ
  6. 青カビチーズ

 ⑤最後に演出を施す

チーズを並べ終えたら、フルーツや植物で飾りつけをします。暑い季節なら涼しげな雰囲気で、寒い季節ならふっくらと暖かげなレイアウトを意識すると、季節感が出ます。

チーズの種類や乳種がわかる演出もあると親切です。Lesson10-4で紹介したアニマルピックのようなものや、自分の手書きで書いておくのもおもしろいです。後はとにかく見栄えの良いように。きれいに並べたチーズたちはとても美味しそうに見えます。

カラフルなフルーツと共に作るプラトーは簡単に華やかな演出ができておすすめです。

sarsmis/Shutterstock.com

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作る時間について

チーズプラトーは皆が食べる1時間くらい前に冷蔵庫から出しておきます。こうすると室温によってチーズのおいしさが引き出されてくるのです。室温は15度〜23度くらいが最適です。夏場や冬の暖房がきいた部屋などで室温が高すぎる場合は、水で濡らして搾ったペーパータオルか布をプラトー全体にかぶせておくと、保冷にもなり、乾燥も防げます。

フレッシュチーズだけは直前まで冷蔵庫に入れておきます。

 

チーズの種類が少ない時は

チーズプラトーを1つ作った際、チーズの種類が少ないと感じる時は、加工や付け合わせによってバラエティ感を出すこともできます。様々なアレンジも可能となり、このバリエーションの付け方もチーズソムリエの腕の見せ所となります。

青カビチーズを砕いてヨーグルト、ドレッシング、白ワインなどと混ぜ合わせてディップに。

青カビチーズは崩れやすいので、崩れた破片などを使うとよいでしょう。

darqdesign/Shutterstock.com

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白カビチーズにクルミを添えて蜂蜜をかけます。

 lidante/Shutterstock.com

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フルーツと一緒に。

フルーツと交互に食べることで、口の中がさっぱりして白カビのコクをより楽しむことができます。

eyal granith/Shutterstock.com

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チーズプラトーの作り方の基本がわかったら、まずどれか1つ、気に入ったものに挑戦してみましょう。知識と実践が、あなたの技術を磨く唯一の鍵です。

またチーズコラム⑨いろいろなチーズプラトーに様々な盛りつけアイデアの写真がありますので、まずそのなかから真似てみるのもステップアップへの近道です。

 

 ■Lesson11-5 まとめ■

  • チーズを並べるために、まず最初は包装紙のまま配置を決める。包装紙をはがす際もできるだけチーズに直接ふれないようにする事がポイント。
  • チーズの配置は、背の高いチーズは奥に、低いチーズは前に置く。こうすることでゲストから全てのチーズが見えるようになる。
  • チーズを並べる際は、チーズの断面や表をゲストに向けるようにする。チーズには必ず表と裏があり、包装のラベルがあった面がチーズの表となる。
  • 味がマイルドなものから、濃厚なものへと、順番に並べるのもポイント。これはマイルドなものから順に食べた方が、すべてのチーズの味を最大限に味わえるため。
  • 最後の演出もポイントで、チーズを並べ終えたら、フルーツや植物で飾りつけしたり、暑い季節なら涼しげな雰囲気で、寒い季節ならふっくらと暖かげなレイアウトを意識するなど、季節感を出したり、チーズの種類や乳種がわかる演出も親切である。
  • チーズプラトーは皆が食べる1時間くらい前に冷蔵庫から出しておくことで、室温によってチーズのおいしさが引き出されてくる。フレッシュチーズだけは直前まで冷蔵庫に入れておく。